


近年、訪日外国人旅行者の増加や空き家の活用、Airbnb(エアビーアンドビー)などの宿泊予約サービスの普及により、住宅を利用した民泊事業への関心が高まっています。
民泊新法(住宅宿泊事業法)は、一定の要件を満たす住宅について、届出により年間180日以内の宿泊事業を認める制度です。 旅館業法に基づく営業許可とは異なり、住宅を活用して民泊を始められることが特徴です。ただし、民泊新法に基づく届出には、住宅の要件、消防法令への適合、宿泊者の安全確保、必要に応じた住宅宿泊管理業者への委託など、さまざまな条件があります。また、自治体によっては条例による営業期間の制限などが定められているため、事前の確認が重要です。
民泊新法に基づく住宅宿泊事業を始めるには、住宅宿泊事業届出書や必要な添付書類を準備し、原則として「民泊制度運営システム」を利用してオンラインで届出を行います。届出にあたっては、保健所等への事前相談、周辺住民への事前周知、消防法令適合通知書の取得など、必要な手続きを確認し、準備を進めることが重要です。

出典:住宅宿泊事業(民泊)を始める方へ(国土交通省観光庁) 2022年3月
OSAHIRO行政書士事務所では、名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県を中心に、民泊新法・旅館業法に基づく民泊申請をサポートしています。お客様ごとに異なるご事情やご希望を丁寧にお聞きし、最適な手続きをご提案します。豊富な申請実績を活かし、スムーズな許可取得をお手伝いします。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。
民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出は、各自治体の独自条例によって、民泊の届出や運営について特別なルールが設けられているケースがあり、必要な書類は自治体によって違います。以下は例として名古屋市の届出の流れです。民泊の届出が完了するまでの期間はそれぞれの状況によって異なるので、あらかじめ情報を集めて、必要な書類を用意しておきましょう。
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参考: 「民泊のしおり第13版」 名古屋市

住宅宿泊事業(民泊新法)の届出は、原則として「民泊制度運営システム」を用いたオンライン申請で行います。届出には、受理の可否を左右する多くの書類を正確に準備する必要があります。
| 書類名 | 概要 | |
| 全員必須の基本書類 | 住宅宿泊事業届出書 | 事業者情報や住宅所在地、運営形態を記載する基本の申請書 |
| 住宅の図面 | 台所等の配置、各室の面積、非常用照明、避難経路等を明記した詳細図 | |
| 住宅の登記事項証明書 | 物件の所有権等の権利関係を証明する公的書類 | |
| 消防法令適合通知書 | 消防法令への適合状況を確認し、消防署から交付される通知書 |
|
| 欠格事由の誓約書 | 破産者や暴力団員等、法律で定める欠格事由に該当しない旨の誓約 | |
| 申請者の種別による書類 | 市町村長の証明書 | 【個人の場合】「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」でない証明 |
| 定款・法人登記等 | 【法人の場合】定款、法人の登記事項証明書、役員全員の身分証明書 | |
| 物件・運営形態別の書類 | 転貸(民泊)承諾書 | 賃貸・転貸物件の場合、オーナー(貸主)による民泊利用の承諾書 |
| 管理規約等の写し | 分譲マンションの場合、民泊禁止でない規約、または管理組合の確認書 | |
| 管理委託の証明書 | 家主不在型等で管理業者に委託する場合、契約内容を証する書面の写し |
◇ 有効期限
登記事項証明書などの公的書類は、届出にあたって発行から3か月以内のものが求められる場合があります。必要書類や発行日の条件については、届出先の自治体に確認しましょう。
◇ 事前準備
消防法令適合通知書の取得や詳細図面の作成には時間を要すため、真っ先に取り掛かる必要があります。
◇ 自治体独自ルール
地域によっては、近隣住民への「事前周知の実施報告書」などの追加書類が独自に定められている場合があります。
住宅宿泊事業法では、宿泊行為の開始までに宿泊者全員の本人確認を行い、名簿へ正確に記載することが義務付けられています。
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本人確認は、原則として対面、またはICT(情報通信技術)を活用した対面と同等の方法で行う必要があります。
| 確認方法 | 具体的な実施内容 |
| 対面方式 | 事業者や管理業者が現地等で、直接、宿泊者の顔と身分証明書を照合する方法 |
| ICT方式 | テレビ電話やタブレット端末、自動チェックイン機器等を使用して、対面と同等の本人確認を行う方法。宿泊者の顔と旅券が画像により鮮明に確認できること、およびその画像が届出住宅内等から発信されていると確認できることが求められる。 |
日本国内に住所を有しない外国人については、以下の対応が必須です。
◇ 旅券(パスポート)の呈示を求め、本人確認を行う。
◇ 旅券の写しを保存し、宿泊者名簿とともに3年間保存する義務がある。
◇ 宿泊者が呈示を拒否した場合は、国の指導であることを説明して再度求め、なお拒否する場合は警察署へ連絡する等の対応が必要となる。
住宅宿泊事業法に基づき、宿泊者名簿には以下の事項を記載し、3年間保存しなければなりません。
| 対象者 | 記載事項 |
| 宿泊者全員 | 氏名、住所、職業、宿泊日 |
| 国内に住所のない外国人 | 上記に加え、国籍および旅券番号 |
正確な記載を確保するため、対面またはICTを用いた本人確認が義務付けられています。代表者のみならず子供を含む全員の情報を記載する必要があり、日本国内に住所を持たない外国人の場合は、旅券の呈示と写しの保存も必須です。

民泊(住宅宿泊事業)を開始する際は、宿泊者の安全を確保するため、消防署への相談と消防法令適合通知書の取得が必須となります。また既存の建物(戸建て等)を民泊(住宅宿泊事業)に活用する場合、運営形態が「家主不在型」や「宿泊室が50㎡超」に該当すると、消防法上はホテル等と同じ「(5)項イ(宿泊施設)」と判定され、厳しい設備基準が適用されます。
| 項目 | 概要 | |
| 1 | 事前相談 | 保健所での相談後に図面(平面図、案内図等)を持参し、消防署で「用途判定」や必要な設備を確認します |
| 2 | 着工届出 | 着工届の対象となる消防用設備等を設置する場合は、原則として工事着手の10日前までに届出が必要です。特小自火報など、設備の種類や工事内容によって取扱いが異なります。 |
| 3 | 設置届出 | 設備設置後、4日以内に提出します。設備の試験結果報告書を添付する必要があります |
| 4 | 実地検査 | 消防署員が現地で、設備が図面通りか、正常に作動するか、避難経路が確保されているか等を検査します |
| 5 | 適合通知書交付 | 検査に合格すると交付されます。この通知書(または写し)を住宅宿泊事業の届出に添付します |
| 6 | 使用開始届 | 営業開始の7日前までに「防火対象物使用開始届」を提出します |
| 設備 | 設置基準 |
| 自動火災報知設備 | 延べ面積300㎡未満の場合、特小自火報を設置できる場合があります。 ただし、建物の用途や構造等によって設置条件が異なります。 |
| 消火器 | 歩行距離20m以内ごとに配置します。 |
| 誘導灯 | 避難口や通路に設置。簡明な避難経路など一定条件で免除される特例もあります。 |
| 非常用照明器具 | 建築基準法や住宅宿泊事業法の安全措置に基づき、設置が必要となる場合があります。 設置の要否は、建物の構造や規模等によって異なります。 |
| 防炎物品 | 使用するカーテンやじゅうたん等は、防炎ラベル付きが必須です。 |
消防用設備等の設置工事では、設備の種類や工事内容によって着工届が必要となります。届出が必要な場合は、原則として工事着手の10日前までに提出します。
◇ 自動火災報知設備(通常の設備は原則として必要。特小自火報は不要な場合があります)
◇ 誘導灯(消防法上の着工届は不要。ただし、自治体によっては工事着手前の届出が必要です)
◇ 屋内消火栓設備
◇ スプリンクラー設備
※新築で民泊を始める場合は、設計段階から消防署への相談が重要です。建築確認申請では、原則として「消防同意」の手続きも行われます。

「民泊新法」の最大のメリットは、旅館やホテルの営業では認められていない住居専用地域での営業が可能な点です。自治体によっては条例により制限を受けることもありますが、これにより運営可能なエリアが広がりますので、検討する物件の選択肢が増えることになります。
「旅館業法」に基づく営業許可を取得する最大のメリットは営業日数に制限がないことです。これにより365日営業でき、売上げを最大化することが可能になります。
「民泊新法(住宅宿泊事業法)」と「旅館業法(旅館・ホテル営業)」の主な違いを以下の表で比較します。
| 民泊新法(住宅宿泊事業法 | 旅館業法(旅館・ホテル営業) | |
| 根拠法 | 住宅宿泊事業法 | 旅館業法 |
| 許認可 | 届出制 (手数料なし) | 許可制 (23,000円) |
| 営業日数 | 年間180日以内 | 制限なし (365日営業可) |
| 建築用途 | 住宅、長屋、共同住宅、寄宿舎 | 旅館又はホテル |
| 用途地域 | 工業専用地域以外可 (条例制限有) | 住居専用、工業、工業専用地域は不可 |
| 本人確認 | 客室内可 (ICT活用可) | 客室に入る前 (令和7年4月よりICT活用も可。自動チェックイン機器による電子保存を含む) |
| スタッフ常駐/駆けつけ | 常駐は原則不要。 家主不在型では原則として管理業者への委託が必要(駆けつけは原則30分以内)。 |
必須ではない (令和7年4月より) / 代替体制の場合おおむね10分以内 |
| 周辺住民苦情対応 | 義務 | 努力義務 (条例で義務化の例あり) |
令和7年4月1日施行の改正により、「旅館業における衛生等管理要領」が見直され、旅館業においても、スタッフの常駐が必須ではなくなりました。代わりに、ICTを活用した本人確認(自動チェックイン機器による電子保存を含む)や、宿泊者の求めに応じておおむね10分以内に施設に到着できる体制が認められるようになり、より柔軟な運営が可能となっています。
民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出を検討されている方に向けて、届出の流れや必要書類、消防設備、非常用照明、駆けつけ対応など、民泊を始める際に確認しておきたいポイントを動画でわかりやすくご紹介しています。
・民泊申請の流れと必要書類
・「民泊」を始めるにあたり、保健所への事前相談は何を行うのか?
・民泊に必要な消防設備とは?
・民泊の非常用照明について
・民泊の駆けつけ要件とは?
・賃貸物件で民泊は始められる?
・民泊で必要とされる竪穴区画とは?
・【2025年版】民泊で使える補助金
民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出や必要書類、消防・建築上の注意点、名古屋市のルールなど、民泊申請に役立つ情報をOSAHIROブログでご紹介しています。
・民泊申請の流れと必要書類
・民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出の流れ|名古屋市
・民泊新法(住宅宿泊事業法)届出の流れと必要書類を徹底解説!
・「民泊」を始めるにあたり、保健所への事前相談は何を行うのか?
・民泊の安全措置
・民泊に必要な消防設備の設置基準
・民泊運営における建築基準法
・民泊新法の上乗せ条例とは?|名古屋市
・民泊新法における180日ルール
・用途地域で失敗しないために!行政書士が解説する民泊新法の注意点
・民泊の非常用照明について
・3種類の民泊の違いは?|旅館業法・民泊新法・特区民泊
・賃貸物件で民泊は始められる?
・「旅館業法」と「民泊新法(住宅宿泊事業法)」の違いを分かりやすく解説!
・Airbnb(エアビー)と民泊の違いは?
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